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CASE STUDY

株式会社プレッシオ

業界初のIoT機能を搭載した新製品を開発 メンテナンスの効率化と機械の不具合の予兆で 保守時間を削減し営業効率の20%増加を見込む

北海道から九州まで全国の新聞販売店に丁合機や包装機といった機器を提供している 株式会社プレッシオ。創業以来、約50年近くにわたり新聞業界と共に歩んできた同社は、その製造技術、メンテナンス力を活かし新製品や新サービスの開発に積極的に取り組んでいます。今回、NEQTO を活用し業界初のIoT機能を搭載した新製品「自動包装機 RV-iX/RV-iXs」は、機械の不具合を未然に予兆検知することで、保守管理にかける人件費 を今後20%削減し、その時間を営業活動に転換することを見込んでいます。

“NEQTO 導入の決め手は「性能」「スピード」「コスト」NEQTO を活用し、IoT機能を搭載することで遠隔からお客様先機器 の状態把握、エラー検知ができるようになり、メンテナンス業務の 効率化や顧客満足度の向上につながっています"

井上 氏
株式会社プレッシオ 製造本部 開発部 

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新製品の開発が進む中で、業界初のIoT機能搭載を決断

丁合機や包装機などの機器の販売を軸に、新聞販売店が使う様々な機器や業務から今後必要となる機能を考え、付加価値や新たなサービスによって新しい市場を積極的に生み出しているプレッシオ社。 今回IoT化に取り組んだ新聞包装機は、雨の日に新聞をビニールで包装する装置で、全国の販売店に提供しています。

これまでの保守・メンテナンス対応は、定期メンテナンスの他、故障発生時に担当者が連絡を受けて現地に駆け付け、点検・修理を行っていました。 しかし、現地に到着して点検するまで故障箇所が分からず、事前に部品などを用意できず復旧までに時間がかかってしまう事が多々ありました。 また、故障原因は、設置条件や気候条件などさまざまな要因があるため、予測が難しく、十分に顧客のケアができていないのではないか課題感があり、これらのメンテナンス業務の効率化を目的として、IoT機能(通信モジュール)搭載を検討しました。

「5年ぶりの新機種の開発が進む中、Salesforceの業務システムとNEQTO を組み合わせることで、保守メンテナンスの業務効率化がすぐに実現できることがわかり、開発プロジェクトが進む中で、急遽IoT機能の搭載が決定しました。」と語るのは、製造本部開発部部長の井上氏です。

「小型化」「短納期」 「コスト」総合評価してNEQTO を採用

井上氏率いる開発部では新聞販売店が使用する機器からサービスを新しく考え、どういう製品にするのか、コスト、量産まで商品 開発全般を担っています。2019年から製品開発の中にIoTの導入検討を開始したプレッシオ社は、複数のサービスを吟味し、NEQTO の採用を決定しました。 さまざまな検討ポイントを比較してパートナーの選定を行う中、最適解を選択した結果が NEQTO だったと、井上氏は話します。 今回は、開発途中での機能追加だったため、すでに製品仕様がほとんど決まっており、設置できる空間が限られている中で検討が進められました。 検討の際に重視したのは「小型化」「短納期」「コスト」の3点で、特に包装機は高温の熱でフィルムをカットする仕様のため、IoTモジュールが熱を持たないように限られたスペースの中でも極力小型化し、空間を空ける必要がありました。 「プロジェクトは、モジュールサイズ、全体コスト、納期を最優先としました。 また、NEQTO には複数の無線通信に対応している中でも、Wi-Fiを採用したかったため、継続的に発生する通信費用に対しての不安がなくなり、お客様に提供する最終費用も抑えることができました。 開発計画を前倒ししたのは、弊社の実現したかった性能や要件をクリアできる NEQTO と出会うことができたので、このまま新サービスとしてリリースできると確信したからです。」(井上氏)

今回同社がIoT機能を搭載した新製品である新聞包装機は、今後製造する製品すべてに NEQTO が搭載されることになります。

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保守にかける時間を削減し、営業効率の20%増加の見込み

2020年6月に先行販売、8月から本格量産開始以降、新規導入、入れ替え、共に売れ行きは好調で年間の目標を上回る予測です。 導入効果としては、メンテナンス時間の削減と営業パフォーマンスの向上の2つが挙げられます。 今までは、突発的な修理対応や部品の交換は、故障の連絡があっても故障箇所は現地に行ってみないと分からないことがあり、エラーが出てもお客様から連絡がないとメーカー側では気づくことができず、エラーが発生していてもそのまま使われていることもありました。 また、営業担当者がメンテナンスも掛け持つため、訪問に多くの時間が割かれ、営業活動の時間を逼迫していました。 稼働データの可視化により、訪問前に故障箇所が把握できるようなったことで、事前に部品を用意して行くことができ、現場の潜在的な故障原因をより早く把握することが可能となりました。

具体的には、今までメーカー側では知ることができなかった軽微なエラーも、営業担当者からすぐに声掛けができるようになり、お客様により安心してご利用いただけています。 「故障が起きた際も、点検前に故障個所を事前に把握することができるので、点検、修理や部品交換を一度に完了することができるようになり、工数の削減だけでなく故障によるダウンタイムの削減にもつながっています。」(井上氏) 故障かどうかの判定や交換部品の特定が事前にできることで、営業担当者がメンテナンス業務にかける時間を削減し、コアの営業業務に集中できるようになることを見込んでいます。 「全国の営業スタッフの営業効率を20%伸ばすことで、大きな売上成果を見込んでいます。」と井上氏は語ります。

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Pressio with NEQTO chip

NEQTO を他の新製品にも展開し、データ活用とつなげることが次の目標

Pressio with NEQTO chip

プレッシオ社は今後、主力製品である丁合機へのIoT機能の搭載も計画しており、順次開発を進めていく予定としています。NEQTO をIoTのハブにし、他社がやっていないことを志向し、新たな市場を作っていきたいと話します。 「海外にも製品を出荷しているため、グローバルでも利用可能なサービスにしていくことやWi-Fiが無い環境に対して、NEQTO のLTEモデルを併用することなど、さまざまな利用シーンで、汎用的に提供できるようにしていきたいと思います。また、製品から貯めたデータを顧客のニーズ予測やさらなる保守効率化を行えるように、次の製品開発に活かしていきたいとも考えています。」(井上氏)

今後の NEQTO 活用については、自社の製品基板の設計の中に、NEQTO 標準のMCU (マイクロコントローラー)とWi-Fiモジュールを直接組み込むことを検討しており、全体的な製品サイズの小型化やコスト削減を期待されています。 「今回のプロジェクトは、開発スピードを優先したことで目標はクリアできましたが、製品のコスト削減など残された課題もあります。 JIG-SAW社には部品の点数を減らすことでハードウェア自体のコストダウンを実現できるように、今後も一緒に検討してもらえることを期待しています。」(井上氏)

カスタマープロフィール:プレッシオ株式会社
代表取締役社長 大谷 貴志
従業員数 159名(2019年6月末時点)
事業内容 電気機械器具、
その他産業機械器具の製造販売及び修理
NEQTO 導入後の効果と今後の展開
機械の故障状況をリアルタイムにシステムと連動することで、プレミアムサービスとして付加価値を提供
故障箇所特定や先回りによる保守効率化により、営業稼働率20%増加の見込み
NEQTO エンジンの機械組込みにより、業界初のIoT製品のリリース
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