• 水管理のIoT化をNEQTOで実現する方法

本記事のポイント

本記事ではIoT-CoreエンジンNEQTO(以下NEQTO)を用いて水管理のIoT化を実現する方法をご紹介します。



1. はじめに

IoTデバイスを用いた開発を行うご担当者様の中には

  • 水位の状況を遠隔で確認したい。
  • 給水、排水を自動化させたい。

こうした水管理を目的とした機能を実現させたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのような場合、NEQTOを利用して遠隔制御が可能です。以降では、

  • 水位の遠隔監視
  • 排水、給水の自動制御

上記2つをNEQTOで制御する使用例をご紹介します。

2. NEQTOを用いた水管理IoT化の実現方法

2-1. 使用部品

今回使用した部品は下画像の通りです。

図1. 全体の構成-1

図1. 全体の構成-1

図2. 全体の構成-2

図2. 全体の構成-2

2-2. 構成

今回のデモは以下の構成で実施しました。

図3. 全体の構成

図3. 全体の構成

図4. 今回使用した回路のブロック図

図4. 今回使用した回路のブロック図

2-3. フロートスイッチの仕様

フロートスイッチは水位が上昇、下降によって動作するレベルスイッチです。
今回使用したフロートスイッチはSensata Technologies社製のRSF66A50A100です。
このフロートスイッチは、スイッチが二つ実装されており、本記事では、

上部のスイッチ→Upper Switch
下部のスイッチ→Lower Switch

と定義しました。
Upper Switch、Lower Switchともに水位上昇の際に、ある地点でスイッチが作動する仕様となっています。

図5. 今回使用したフロートスイッチRSF66A50A100

図5. 今回使用したフロートスイッチRSF66A50A100

図6. フロートスイッチの仕様

図6. フロートスイッチの仕様

2-4. 今回使用したGPIOの仕様

表1. 使用GPIOの仕様

GPIO No 仕様
GPIO(12) 電磁弁の制御
H:電磁弁を開く
L:電磁弁を閉じる
GPIO(13) 電動ポンプの制御
H:電動ポンプの動作開始
L:電動ポンプの動作停止
GPIO(14) Upper Switchの状態監視
GPIO(18) Lower Switchの状態監視

水槽Bの水位が下限に達したことを検出した場合

図7. デモ内容(水槽Bの水量が閾値を下回った場合)

図7. デモ内容(水槽Bの水量が閾値を下回った場合)


水槽Bの水位が上限に達したことを検出した場合

図8. デモ内容(水槽Bの水量が閾値を上回った場合)

図8. デモ内容(水槽Bの水量が閾値を上回った場合)

2-5. 結果

下の動画は、実際に動かした際の動画です。
フロートスイッチで水位を監視しそれに応じて給水、排水を繰り返す動作です。
水位が上昇し上限のしきい値に達した際に電動ポンプで水を吸い上げ、水位が下降し下限のしきい値に達した際に、電磁弁が開き、水を供給する動きが繰り返し行われていることが確認できました。


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3. 最後に

今回はNEQTOによるスマート水管理としての使用例をご紹介しました。 ご紹介したデモは次のような活用方法が考えられます。

  • 水田や温泉などの水位を自動で調節
  • 給水、排水設備の運転状況を遠隔で監視

また、今回使用した電磁弁は水用のものでしたが、空気用の電磁弁を使用することによって、気体にも応用可能です。 本記事がNEQTOをご利用いただけるきっかけになれば幸いです。


リンク


今回使用したデバイスの購入先
STM32L4+ Discovery kit IoT node [B-L4S5I-IOT01A]: STマイクロエレクトロニクス
電磁弁[VDW22NZ1D]: モノタロウ
電動ポンプ[B07D29YT2C]: Amazon
フロートスイッチ[RSF66A50A100]: Digi-Key